【人生の振り返りシリーズ】⑩不妊治療~男性不妊~

私のこと

小学生で母を亡くし
その後、不登校、摂食障害、うつ病、結婚、不妊治療、離婚。
その後、再婚したものの再度、不妊治療を経験しました

ようやく授かった子どもなのに、今度は子育てが辛くて悩みました

母が倒れた時からの人生の振り返りを綴っています

①母が倒れた

②実感できなかった母の死

③不登校の始まり

④不登校時代(出会いに恵まれた高校生活)

⑤休学。そして、通信制高校へ転入学

⑥人生で1番辛かった日々~摂食障害とうつ病~

⑦回復期~環境の大きさ~

⑧再発~カウンセリング治療~

⑨治療の経過と変化

⑥人生で1番辛かった日々~摂食障害とうつ病~以降は
自傷行為などの表現も含みます

苦手な方、影響を受ける可能性がある方はご注意ください

子どもが欲しい

元夫と結婚してしばらくは、平和に過ごしていました

しかし、すぐに悩みも出てきます

それは〝子ども”です

交際期間が8年もあったことと
私も元夫も、子ども好きだったため
すぐに妊娠を希望していました

私の中では、今まで1度も妊娠しなかったことで
「妊娠しにくいのでは?」という不安がありました

なので早めに妊活したかったのです

ですが、元夫は治療に消極的でした

「子どもが欲しい」という割に、治療は嫌がる

タイミングを伝えるのも嫌がる

ですが、元夫の家族からも催促されていて
本当にストレスでしかありませんでした

基礎体温を測ったり、自分で出来ることは気を付けつつ
毎月、妊娠できないことに振り回される日々でした

不妊治療~検査~

結婚して1年近く経ったころ
どうしても不安で、不妊治療に踏み出しました

まずは私だけ、検査をしました

不妊治療の検査は女性だけでもたくさんあります

ホルモン検査(血液検査)
生理中・排卵期・高温期のそれぞれ

子宮卵管造影検査

内診、超音波検査

フーナーテスト

生理周期に合わせて検査できる項目が違うので
大体1~2周期かけて検査をします

検査の結果、私に原因となりそうな項目はありませんでした

しかし、フーナーテストの結果が悪かったんです

この段階で、元夫の精液検査を勧められました

フーナーテストが1回不良なだけでは、原因はわかりません

検査の時期が悪かったのかもしれないからです

ですが、男性不妊の可能性、もしくは私に抗精子抗体がある可能性があります

原因をはっきりさせるためにも、元夫の検査は必要でした

ですが、この時は元夫は検査を拒否していました

何度か話し合いましたが、どうしても受けてもらえず
私の通院も辞めてしまいました

不妊治療の再開

それから半年ほど経った頃、ようやく元夫が治療を再開することを認めてくれました

最初に行った病院とは違う、職場から近い病院に行ってみました

不妊治療は、通院のタイミングが体に合わせてなので
連続で通院するときもあります

いつ通院になるかわからないので、通いやすいところを選びました

そこで前回の検査の結果も伝え、
もう1度検査することになりました

この時も、一通り検査した中で
やはりフーナーテストだけが不良でした

「男性の検査をしない限り、次の治療に進めない」

そう言われて、ようやく元夫が検査に応じてくれました

この時2011年の夏でした
結婚してから2年近くが経っていました

男性不妊が発覚

元夫が病院に行くことを嫌がったので
自宅で採取してもらい私1人が病院に行きました

そこで出た結果は

精子がいない

普通なら、体調などの影響も大きいので
1度結果が悪くても再検査をします

私達の場合、それまでに3回のフーナーテストが不良だったこともあり
無精子症の可能性を言われました

男性不妊専門の病院へ移り、もっと詳しく検査を受けた方がいい

そう言われました

検査結果がショック過ぎて
この時、先生からの話はあまり記憶にありません

待合室に戻ると、すぐに看護師さんに別室に呼ばれました

「何か聞きたいことはない?」

そう言われても何も思いつかず、ポロポロと涙がこぼれました

「我慢しなくていいよ」

優しく言われて、めちゃくちゃ泣きました

この時、話を聞いてくれた看護師さんも
同じ経験をしたと話してくれました

でも、紹介された病院で治療を受けて
今は2人のお子さんがいると仰っていました

泣いて落ち着いてから
もう1度、今後、どういう検査があるのか
どんな治療法が考えられるのかを説明してもらいました

帰りの電車でも、人目も気にせず泣けました

この結果をどうやって伝えたらいいのか

頭の中が真っ白でした

男性不妊外来へ~無精子症

結局、その日のうちに元夫には伝えました

もちろんショックは受けていましたが
「とりあえず出来ることをやってみよう」という話になりました

病院に紹介状を書いてもらい、紹介先の病院の予約が取れたのが
男性不妊と診断されてから3週間後でした

紹介された先生は、本も出している
日本ではかなり有名な先生でした
(かなり後で、TVに出ているのも見ました)

ハッキリしている、感じのいい先生でした

診察5分で「無精子症」は確定でした

無精子症にも2種類あり、「閉塞性」と「非閉塞性」があります

「閉塞性」と言われるのが、精子は作っているけれど通り道が塞がっているタイプ

ダイヤモンドユカイさんが有名ですかね
※お写真お借りしました

「男性不妊を世に伝えていくのは、俺の使命」 ダイアモンド☆ユカイさんインタビュー

「非閉塞性」は、精子を作る機能に問題があるタイプ

元夫は残念ながら「非閉塞性」でした

それでも、わずかに精子が作られている可能性はあるらしく
その場合は、手術で精子を取り出し、その後、顕微授精をすることが可能

そんな話だったと思います

この手術をするには、お金もかかるし、本人の負担も大きいため
まずは血液検査で、可能性があるかどうかを調べることになりました

クラインフェルター症候群

血液検査の結果が出たのが、3週間後でした

検査の結果、元夫は「クラインフェルター症候群」という染色体異常でした

男性に発生する染色体異常で
通常「XY」の組み合わせのはずが「XXY」と1つ多いらしい

この染色体異常は、男性の660人に1人の割合であるしいですが
基本的に気付きにくいことが特徴のようです

なぜなら「男性ホルモンの生成量が少ない」というのが1番の特徴だからです

命に関わることもないし
外見的にも大きな特徴はないため
不妊治療で初めて気付くことも多いそうです

元夫もこのタイプでした

クラインフェルター症候群の場合
顕微鏡下精巣内精子採取術(Micro-TESE)で
精子を回収できる可能性は55%

私たちは、この可能性にかけるしかありませんでした

次の診察日に手術の意向を伝えると
10日後に手術が決定しました

忙しい先生のため、年内に手術が出来るかどうか…
と聞いていましたが、10日後だけ空いてるとのことでした

急なことに戸惑いはありましたが
不安のまま長く過ごすより、早く結果が知れる方がいいと
元夫も覚悟を決めてくれました

Micro-TESE

顕微鏡下精巣内精子採取術(Micro-TESE)は日帰り手術でした

部分麻酔で手術時間は1.5時間
病院の滞在時間は7時間ほどでした

元夫は術後の痛みが酷く、帰宅まで時間がかかりました

1~2日で痛みがなくなる人が多いらしいですが
術後5日ほどは痛みがあり歩くのも辛そうでした

正式な結果は手術の1週間後でしたが
当日、すでに恐らくの結果は伝えられていました

そして、正式な結果も予想通りの結果でした

手術は失敗

現代医療の限界でした

この時の絶望感は今でも覚えています

感情が停止してしまった感覚

泣くことも出来ず、重苦しい空気に包まれた感覚

あっという間に、乗り越えたと思った
懐かしい感覚に包まれました

今後の選択肢として提示されたのは4つ

  • もう1度手術を受ける(ほぼメリットはないのでオススメしない)
  • 2人きりの人生を送る
  • AID(非配偶者間人工授精)
    他人の精子で人工授精をして妊娠、出産し、2人の実子として育てる
  • 養子

どうすることも出来ない現実に
私も元夫も、向き合うことが出来ませんでした

しばらくは何の話もしないまま過ごしました

私は、AIDや養子についても調べました

しかし、AIDや養子に関してほとんど情報を得られませんでした

どういうルートでどういう方法があるのか
どんな問題、課題があるのか
倫理的な問題もあります

経験談なんてもちろん簡単には出てきません

そして、本気でそこに向き合う気力もありませんでした

記事中の男性不妊について専門知識はありません

過去の記憶に基づいて書いていますので間違っている可能性もあります

ご了承ください

長くなったので、また書きます

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